小沢健二 SK宇小沢健二 SK宇

新作アルバムの感想とその他いろいろ

Good things come to those who wait, so relax and wait for fate. これは、オリーブで連載された小沢健二さんのエッセイ「ドゥワッチャライク」にあった言葉。記憶によるもので正確ではないが、「好きなフレーズ」として紹介され今も印象に残っている。2019年、『So kakkoii 宇宙』が待ち続けた私たちのもとにやってきた。
その音は、多くの人の日常を照らし、あたため、新しいものを育て続けている。このページは、日本のあちこちでひそひそと語られる会話の一つを切り取り、キャプチャーして残したものである。

ひまわりが入室しました

虹が入室しました

ひまわり

おひさしぶりです。2020年春、世界が変わってしまいましたね。

A
B

ほんとにね・・・

ひまわり

こうなってみると、あらためて「人って集まるのが好きなんだなあ」と思います。学校、会社、ライブ、スポーツ観戦、飲み会、船、電車、新幹線……人でごった返す景色にはうんざりしてきたけど、今はざわめきが恋しいです。

A
B

集まって何かする喜び

ひまわり

集まりたいですよね。

A
B

そんななかですが・・・どうでした?So kakkoii 宇宙

ひまわり

いやー、やっと人に貸せるCDができたなって。

A
B

今まで貸せなかったんですか?

ひまわり

小沢健二が好きな人って「小沢健二が好き」ってあんまり言わないじゃないですか?たぶん。このまえ、知り合いが小沢健二ファンだということを偶然知ったのですが、そんなこと全然気づきませんでした。

A
B

みんな隠してるのかな?

ひまわり

ちなみに、その彼女の旦那さんからは「あの気持ち悪い歌の人」と言われるそうです。

A
B

ああ・・・

ひまわり

で、別の友達に貸したんですよね、アルバムを。このCDなら貸せるな、と思って。だってLIFEを貸すのもおかしいじゃないですか?ケース割れてるし。Eclecticも違いますよね?

A
B

まあ、そうですね・・・

ひまわり

そしたらその彼女、予想外に気に入ってくれて、自分で買い直したそうです。「最近の歌は軽い歌詞のものしかなかったので新鮮だった、はまるのもわかる」と。

A
B

いい話

ひまわり

今まで執筆してきた論文を歌詞に落とし込むという挑戦。理解も誤解も生んで当然だと思います。わからなかったものも、歌としてなぞるうちに身に染みていくということもあると思う。日常に溶け込む優れた方法だな、と。

A
B

世の人から「なんで今さら」とか「高くない?」とかの声もあります

ひまわり

そうですよね。私は「アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)」を最寄りのCD屋さんで買ったのですが、店員さんに「こんなに好き勝手できるアーティストを他に知りません」としみじみ言われながら手渡されましたよ。

A
B

確かにね

ひまわり

ところで「高い塔」。

A
B

Stardust

ひまわり

そういえば急に英字が使われ始めましたよね、使われ始めたというか、復活させたというか、今までアルファベットをしりぞけてきたこととのギャップが。

A
B

英語でツイートもされてました

ひまわり

日本語と英語が混じり合って溶け合う環境で、考えが変わったんですかねえ。

A
B

で、高い塔

ひまわり

落ちてくるStardustは、時間なんじゃないかなあって思うんですよ。誰の上にも、何の上にも等しく降り積もる、時間。時間だけがつくれること、時間だけがつくれる景色がある、という事実が際立つ表現だなと思って。

A
B

という一つの解釈ね

ひまわり

そう思ったとき、しっくり来たんですよね。最初は「薫る」ばっかり聴いていたのですが、最近は「高い塔」から聴き始めることが多いです。

A
B

件のお友達は「失敗がいっぱい」がお好きだそうですね

ひまわり

うちの次男は魔法的のフクロウの声が聞こえるを気に入っていました。ちなみに今彼は、Official髭男dismさんとボカロばかり聴いてますが。

A
B

ああ・・・

ひまわり

ところで、自分たちが子どもの頃って、歌をひとつ聴くのも一苦労でしたよねえ。友達に借りたり、レンタルショップで借りたり、ラジオやテレビの音を録音したりしてたじゃないですか。それもけっこうよかったなって思います。

A
B

今はただで聞きたい曲がすぐ聞ける

ひまわり

そうやって環境が変わって、気の持ちようも変わっていくものなんでしょうね。

A
B

変わらないものもある

ひまわり

そうですね。小沢さんは身近なこと、本当のことを表現している、表現してきた人だとな思います。だから多くの「信じる人」がいるんだと。

A
B

新しいファンも獲得されてますね

ひまわり

最近小沢健二に目をつけた方たちには、古参のファンが喜んでいるってことを伝えたいですね。少しの嫉妬を持って。だって、小沢さんって新しいファンが好きなんですもん。くやしいくらい。一緒に、もみくちゃになって楽しみたいです。

A
B

前からのファンの人たちは怖くないよ、と

ひまわり

こわく感じる気持ちはわかります。

A
B

分かります

ひまわり

あとあれですか、ライブではかなり歌わされるということをお伝えしておきたいですね。あと踊らされますね。今までの感じだと。

A
B

確かに

ひまわり

でも、歌詞なんてうろ覚えでいいんです。……って、どこかに書いてあった気がする。

A
B

歌われて、種から芽吹く、花が咲く、ですか

ひまわり

ずっと前に、トークショーみたいなところで小沢さんが言ってました、「この歌詞はこうだ」と思ったらそれは絶対正しい、と。どんなふうに響いてもいい、それはすべて正解だ、そういう制作の姿勢が潔く感じられて、今でも覚えている印象的な言葉です。

A
B

作品は、作者の手を離れて、受け手のものになる

ひまわり

受け手の血となり肉となり、人生の一部になる。そう思います。

A
B

So kakkoii 宇宙 Shows

ひまわり

楽しみですね、1年後。世界はどうなっているんでしょうね。何とか生き延びたいです。

A
B

“Believe. 信じることの力。信じる対象が問題なのではなくて、信じることそのものが、未来を開く。”『BELIEVE/ 文学のテクノロジー』小沢健二 2012年

ひまわり

信じることそのものが、未来を開く。いい言葉です。

A
B

今度Zoomで飲みますか

ひまわり

近いうちに。

A
B

連絡しますねー

虹が退出しました

ひまわりが退出しました